園芸学研究 20(4): 469–475. 機械学習を利用したキャベツ選果システムの開発 内村優希・吉田裕一・後藤丹十郎・安場健一郎 岡山大学大学院環境生命科学研究科 700-8530 岡山市北区津島中 |
<研究内容>
現在,キャベツ選果場において外葉が2~3枚ある生食用と外葉がない業務用に選果する機械はなく,選果作業は肉眼で行われている.そこで初心者や障害者によるキャベツ選果作業を支援するために画像を利用した機械学習の一種である畳み込みニューラルネットワークを利用したキャベツ選果システムの開発を試みた.また,機械学習させたモデルを組み込んだマイコンとwebカメラ,ロードセルを用いたキャベツ選果装置を作製した.数千枚の画像を利用して学習させたモデルは実用上十分な判別精度を持つことがわかり,作成したキャベツ選果装置を導入することによって,初心者や障害者の選果作業の補助ができ,労働力不足の改善に寄与できると考えられる.
図. 開発したシステムは,写真左の外葉のついた生食用と外葉のない業務用のキャベツを判別することが可能で,重量センサでサイズも分別することができる.