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Hort. J. 94(2): 266-275. Using GCaMP6 as a Genetically Encorded Ca2+ Indicator in Tomatoes
Ryunosuke Harada1, Daisuke Kurihara2,3, Chiaki Hori1, Hiroyuki Ishida1, Tomoki Shibuya4, Kazuhisa Kato1 and Yoshinori Kanayama1
1Graduate School of Agricultural Science, Tohoku University, Sendai 980-8572, Japan 2Institute of Transformative Bio-Molecules (WPI-ITbM), Nagoya University, Nagoya 464-8601, Japan 3 Institute for Advances Research (IAR), Nagoya University, Nagoya 464-8601, Japan 4Faculty of Agriculture, Yamagata University,Tsuruoka 997-8555, Japan |
<研究内容>
本研究では,これまで主に動物研究やモデル植物の葉・茎などで用いられてきたカルシウムセンサーである「GCaMP6」をトマト‘Micro-Tom’に導入し,葉のみならず園芸学的に極めて重要な器官である果実においてCa²⁺動態のリアルタイム可視化に成功した.果実の切断やグルタミン酸,EGTA(カルシウムキレート剤)による蛍光強度の変化から,本手法が細胞内Ca²⁺濃度の有効な測定手法であることが証明された.実験の結果,低温や塩ストレスに伴う蛍光強度の増大が確認され,果実におけるCa²⁺シグナルが非生物的ストレス応答の引き金となる可能性が示唆された.また,果実内のCa²⁺シグナルはグルコースやフルクトースにより濃度依存的に誘導されることも明らかとなった.さらに,果実の生理障害発生において極めて重要な「果実発育の初期段階(開花後15日)」では,果梗部に比べて果頂部のCa²⁺レベルが低いことが確認され,尻腐れ果の発生メカニズム解明へ応用できる可能性が示された.本成果は,Ca²⁺シグナルと「環境ストレス応答」「糖蓄積」「生理障害」といった重要な形質を直接結び付ける解析アプローチとして,今後の園芸学研究への貢献が期待される.
<授賞理由>
Ca2+はトマト果実において,非常に重要な無機成分であり,生理障害の有無や成長,ストレス応答にさまざまな影響を及ぼすことが知られている.本論文では,Ca2+センサータンパク質を遺伝子導入したトマト果実を用いて,Ca2+シグナルのストレス応答や糖による誘導についても明らかにした.また,塩ストレス条件下で初期成長段階の果実における部位間のCa2+濃度差など重要な知見を示し,果実の生理障害の発生要因の解明に繋がる.トマト果実でのCa2+の濃度を可視化することで,これまで明らかにできていなかったCa2+の役割について言及する学術的に優れた論文である.
<研究概要>
