学会賞

園芸学会年間優秀論文賞 Hort. J. 94(1): 24–32.

Hort. J. 94 (1): 24–32

Flower Longevity Quantification in Greenhouses Using Deep Learning Models

for Computer Vision

Motoyuki Ishimori*

Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo,

Bunkyo-ku, Tokyo 113-8657, Japan

*Present address: Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture, Atsugi, Kanagawa 243-0034, Japan

<研究内容>
 花持ち性は花きの品質保持において最も重要な形質である。様々な品質保持剤の開発により高品質な切り花の流通が実現している。しかし、花持ち性の遺伝的改良は一部の花きを除いて進展していない。その一因は大規模試験における花持ち性のスクリーニングのための解析手法が開発されていないことにある。本研究では最近飛躍的に発展しているコンピュータービジョンのための深層学習モデルを用いたハイスループットな画像解析により、温室において多数の系統の花持ち性を定量化できる手順を示す(第1図)。夏の花壇用花卉である一日花のPortulaca umbraticolaの7系統を温室上部からインターバル撮影した。訓練した物体検出モデルを使用することで、各画像から花と鉢を正確に検出することが出来た。花の開花度は画像分類モデルを訓練することで推定できた(第3図)。画像には多数の花が含まれているが、複数物体追跡モデルを使用してそれぞれを識別しながら花持ち性を推定することが出来た。さらに、追跡した花を7系統に識別するために動画分類モデルを援用した。P. umbraticolaの花持ち性は環境効果を受けるために日により非常に異なるが(第6図)、系統間の差異を定量化することが出来た(第7図)。よって、本研究で提案する深層学習モデルを活用した画像解析による手法を適用することで、花持ち性の研究や育種を飛躍的に高速化できる可能性がある。また、本手法の様々な花きや形質への応用可能性が議論される。

<授賞理由>
 本論文は,育種や栽培・管理上重要な品質項目であるが定量化が困難だった「花の寿命(日持ち性・花持ち性)」について,最新のディープラーニング技術を用いてその定量化が試みられ,大規模に解析されている.定量化の手順についても明確に示されており,今後,多岐にわたる花き類に展開できると考えられる.本研究成果は,花きの生産および育種現場にとって重要な知見を提供する優れた論文である.

<研究概要>

 

 

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